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玄関や鍵の見直し・防犯対策

知識・ノウハウ
2021.10.14

⽞関ドアの鍵や周辺を見直してみましょう

コロナ禍で外出を控えた生活が定着し、在宅時間が増えた方は多いと思います。
在宅しているから、防犯観点で安全・安心かといえばそうではありません。デリバリー等の業者を装った不審者や、換気で開放していたドアや窓を狙った侵入窃盗犯罪など、情勢に合わせて犯罪は変化しています。今回は玄関ドアにフォーカスし、ドア周りの見直しについてご紹介します。

玄関からの主な侵入手口は?

玄関からの主な侵入手口は?

戸建てや集合住宅を問わず、防犯において重要なポイントである玄関。玄関は侵入口として選ばれやすい場所で、最も多い侵入手口は「無施錠(鍵がかかってない状態)」といわれています。

無施錠でない場合の侵入窃盗犯罪で代表的なのが「サムターン回し」と「ピッキング」です。
サムターン回しは、ドアにドリルなどで穴を開け、金属の棒を使い、サムターン(ドア内側のつまみ)を回転させて解錠する手口のことです。
ピッキングは、特殊技術を使って錠のシリンダー部分を操作し解錠する手口のことです。これはピッキング法と呼ばれる法律(正式には「特殊解錠用具の所持の禁止等に関する法律」)ができるほど話題となった手口です。

このように、玄関ドアにドリルで穴を開けたり、ドアスコープ(のぞき窓)を覗いたり、ピッキングツールを使っている姿など、まさかと思うかもしれませんが、犯行は実際に玄関前で起こっています。

対策は犯人が嫌がる玄関、鍵にすること

対策は犯人が嫌がる玄関、鍵にすること

玄関を狙うという大胆不敵な犯行を抑止するには、不審者が嫌がる状況を作ることが大切です。犯罪者が心理的に嫌う要素というのがあります。それは「時間・目・音・光」です。これら要素は「防犯の4原則」といわれ、この要素に対応した防犯対策を講じることがポイントとされています。

この防犯の4原則を組み合わせた対策を行うと、たとえば侵入に要する犯行時間が長引いたり、それによって人目に付きやすくなったりと、犯行そのものを抑止する効果にも期待できます。
不審者は、事前に家の周りを徘徊し、下見を行って狙いやすいターゲットを見定めるようです。昨今、デリバリーや通販の利用が多くなっている傾向があり、たとえオートロック物件でも玄関ドアで直接荷物を受け取ることもあるかと思います。それを利用して、配達員や作業員を装い、建物内を物色することも考えられますし、家人がいても、ところかまわず犯行を行う者もいることでしょう。場合によっては生命の危険にさらされる可能性もあり、特に一人暮らしの人は注意が必要です。
生命や財産を守るために、事前に犯行を諦めさせるくらいのしっかりとした対策を講じることが大切です。

玄関まわりの再点検のしかた

そのためには、現在お使いの鍵や錠前がどんな状態であるか、次のような点検してみましょう。

玄関の錠前はどのくらいお使いですか。

日本ロック工業会(JLMA)では、錠前を安全上支障なく使用できるよう耐用年数を制定しています。それは建物(錠製品)引き渡し後あるいは購入後より、一般錠で10年、電気錠で7年というもの。耐用年数を超えてご使用の場合は、お取替えを検討することをお勧めします。

鍵が劣化、破損していませんか。

鍵が摩耗したり、曲がったりしていると、錠前システムを傷めてしまいます。鍵の破損や摩耗だけなら鍵を取り換えるだけで済みますが、可能であれば錠前一式を取り換えることをお勧めします。

1ドア2ロック(1つのドアに鍵は2つ以上!)

1ドア2ロックは、国土交通省の「防犯設計指針」でも奨励されているポピュラーな防犯対策です。錠が2つ以上付いていることで、侵入に要する時間が倍以上かかることになり、侵入をあきらめさせる抑止効果が期待できます。

玄関前の見通しはよいですか。

高い塀で囲まれていたり、他の遮蔽物で玄関部分が見えにくいなど、身を隠せたり、誰にも見られずに作業を行えそうな環境の場合は見直しましょう。録画機能のあるインターホンや、夜に威力を発揮するセンサーライトなどの活用もお勧めします。

日々の防犯意識が大切

日々の防犯意識が大切

不審者は、人が多く行き交う場所で犯行を行う場合もあるといいます。大勢の中に紛れ込み目立たなくなることで、逆に作業もしやすくなってしまうのです。つまり、人の往来が多い地域に住んでいても油断は禁物であり、人が多いことに安心せずにしっかりとした対策や被害に遭いにくい環境作りを心がけることが大切です。

「錠」と「鍵」の表記について
錠前(錠・ロック・lock)は、扉などに取り付けて締める金属、機械的または電子的な部品をいいます。鍵(かぎ・キー・key)は、錠前を施錠・解錠する(操作する)ための器具をいいます。ここでは便宜上、日常的な会話に合わせて、鍵と錠前をまとめて「鍵(かぎ)」と記載している場合があります。